昨年の冬(2023年)父親が亡くなった。
昨年も、自治会の夏祭りをほぼ一人で仕切ったり、高齢者の人間魚雷による交通事故(交差点で車の横に突っ込まれた)に遭ったり、色々あった不幸のひとつ。
私は元々田舎の家の長男で、家業は農家。
父と祖父母で農家として色々作物を作っていたが、父は途中で手に職をつけ、外に稼ぎに行くようになり、祖母と祖父が細々とやっていた。(母は私が小学生の頃、父のモラハラで離婚)
私も就職後、休みの日などに祖父母を手伝っていたが、そのうち祖父母も亡くなり、父は独立して会社を興して本業はそちらとなった。
かくして、耕す者が居ないうえ、土地改良区など色々なしがらみで、簡単には売る事ができない農地が残った。
そして父が亡くなり、弟達との遺産分割協議(これもいずれ書きますか…)の結果、長男である私が、実家と売れない農地を含む土地等を継ぐ事となった。
しかし売れない(現金化できない)とはいえ、相続には相続税がかかる。
登記には、登録免許税がかかる。
全部でおよそ300万!!
少しでも安く上げるため、相続登記は自分でやる事にした。
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25% オフ相続登記に必要な物
相続登記に必要な物として「登記申請書」と「登記原因証明情報」が挙がるが、実は「登記原因証明情報」は一つの書類ではない。
書類としては、
- 登記申請書
- 亡くなった親の除籍謄本(全部事項証明)
- 相続者全員の戸籍謄本
- 遺産分割協議書
- 相続者全員の印鑑証明書
が必要で、2~5が「登記原因証明情報」となる。(遺産分割協議で行う場合)
印鑑証明は、遺産分割協議書に実印が押してあるためその確認のため。
親と相続者の関係を示した、家系図のような「相続関係説明図」があると良いとなっているが、2と3があれば必須ではない。
ただ「相続関係説明図」があれば、法務局が2と3とチェックした後返却してくれる。(郵送での返却は、返送用封筒と切手が必要)
それと、登記をオンライン申請で行う場合は「相続関係説明図」のPDF添付と提出が必要なので必須。
ちなみに「法定相続情報証明制度」で「相続関係説明図」に法務局の「認証文」を付け、2と3、除籍謄本や戸籍謄本の代わりに使う方法もあるが、複数の法務局に遺産がまたがる場合や、相続人が大量でなければ、多少お金はかかるが「除籍謄本や戸籍謄本を必要数分取得しておく」方が、時間も手間もかからない。
なお「遺産分割協議書」の返却を受けたい場合は、「遺産分割協議書」のコピーも提出する必要がある。
「遺産分割協議書」をコピーしてホチキスで綴じ、1ページ目に赤字枠付きで「原本還付」と書き、その下に「原本と相違ありません」と記載、申請人が署名捺印する。
複数ページある場合は、各ページの境に、捺印した印と同じ印で割り印を押す。
「遺産分割協議書」も除籍謄本や戸籍謄本と同じタイミングで返却してくれるので、全部の重量に見合った金額の切手を貼った返却用封筒を入れておけば良い。
長くなってしまったが、相続する土地や建物の管轄の法務局に出向き、相続登記する場合は、以下の書類を揃えれば間違い無い。
- 登記申請書
- 亡くなった親の除籍謄本(全部事項証明)
- 相続者全員の戸籍謄本
- 遺産分割協議書
- 相続者全員の印鑑証明書
- 相続関係説明図(2と3の返却を受ける場合)
- 遺産分割協議書のコピー(4の返却を受ける場合)
- 重量に見合う切手を貼った返却用封筒(2、3、4を、郵送で返却を受ける場合、レターパックの方が安いかも?)
(相続)会議は踊る
うちは私を含めて兄弟3人。
母親は存命だがずいぶん前に離婚している。
そのため相続人は3人。
相続でもめたくないと思い、事前に弟達と分割についてざっくり話をしており、特に異論も無かったので、あとはそれを税理士に伝えれば良かろうと、弁護士は入れなかった。
頼んだ税理士は、地元の私の知り合いかつ、三男の友人の紹介。
その知り合いは自分の相続の際に、全部やってもらったとのこと。
打ち合わせの際に現れた税理士は、50歳ぐらいの物静かな男性。
話し方からしても、信頼できそうな雰囲気でひと安心。
さっそく4人で話を始めた。
私が事前集めた相続資産は、ざっくりこんな感じ…
- 実家
- 貸宅地
- 賃貸物件
- 田畑
- 三男の家が建っている宅地
- 父の会社
- 父の会社の資産
- 父の会社の借金
- 父個人の資産
私の試算だと、相続税は300万といったところ…。
相続税からすると資産が多いように見えるが、田畑は既に耕作しておらず放置、固定資産税を払うだけとなっていることや、父の会社の借金が、
「会社の借金は相続の際に、個人の金融資産と相殺できない。」
がゆえ、相続税を押し上げている。
親個人として借金をしていたなら、1000万現金があっても1000万借金があれば、相続資産はゼロとなり相続税はかからないのに…。
父の会社は有限会社規模で、前から三男が手伝っていて会社の引き継ぎは可能だが、借金が非常に大きく、会社の資産と父の資産を合わせても、借金の方が大きく上回る。
会社の借金の保証人に三男がなっているため、この際会社の解散をと思っても、借金が全部三男にいく。
会社の株は相続資産なので、会社だけ相続放棄もできないし…。
それらも加味しつつ、話し合いを行い、財産分与はこんな感じとなった。
①長男の私が実家や土地建物を継ぐ。
②次男は婿に出ており、特に欲しいものは無いというので、何も継がない。
③三男は父の会社と会社の借金返済のため、父の資産を引き継ぐ。
私だけマイナスに見えるが、賃貸物件があり少し家賃収入があるため、固定資産税や実家の維持費は何とかなる。
これに加えて私が一つ
相続税が300万ほどのうえ、相続登記にもお金がかかる。
もちろん税理士への報酬も…。
だから
①父の資産からそれらの費用を引いた残りを三男が引き継ぐ事にしよう。
②結果誰も自分のお金の持ち出しをしないようにしよう。
③そのために正確な資産の洗い出しと相続税の計算をしてもらおう。
④家賃収入の余剰分を会社の借金の返済に回そう
という提案をした。
弟達から特に異論は出なかったので、税理士にその旨お願いし、今回の話を加味した財産分割協議書を作ってもらう事にした。
自宅に帰ってから念のため、
このようなLINEを弟達に送り、今日のネゴをした。
そして半月ほど経った後、税理士より財産分割協議書ができたとの連絡があり、我々兄弟はもう一度集まった。
そして私がそこで目にしたものは…
「なっ!何だこりゃ~っ!!」
続く…
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燃ゆる遺産分割協議書
「なっ!何だこりゃ~っ!!」
私がいきなり税理士から渡されたのは、
280万円の相続税納付書
三男はビックリしている私を見、にやにやしながら、
「ほら!事前に伝えておかなきゃダメじゃん!!」
と税理士にフレンドリーに言う。
「やっぱりそうですかねぇ…」
と税理士。
三男と税理士で、事前に私にこの情報を伝えるか否か、話していたらしい…っていうか、
この若い税理士誰!?
名刺を出されて合点がいった。
父の会社の税理士があまりにポンコツなので、今回相続で使う税理士事務所に切り替える手配を(私が)行い、そこから派遣された税理士で、会社の業務と今回の相続と、両方引き受ける事になったらしい。
もう会社の顧問となって二月以上経ち、私と違って三男は、敵で無ければ人当たりが良いため、三男とかなりフレンドリーな関係になっているのが、会話の節々から伺われた…。
で、冒頭私に渡されたのは、土地・建物の相続税の納付書だった。
嫌な予感がしつつ、出来上がった遺産の分割協議書の説明を受ける。
ベースになるのは前話した通り、
- 土地建物は私
- 金融資産は三男
- 次男は何も継がず
そのうえで、税理士からポイントの説明があった。
◆三男が住む土地は、私ではなく三男が継ぐことにする
これは税理士から事前に相談があり、私が構わないと言ったもの。
弟の分まで私が固定資産税を払う理由は無いからね。
◆浮いていた金100万は、当座の資金とする
父親の口座が凍結される前に、当座の資金として幾らか現金を引き出しており、これも税理士から問い合わせがあり、回答していた。
で、今回の分割協議書になるのだが、先の280万円の納付書のように事前にもらっておらず、今回が初見。
で、目を通した結果は、
『ベースに忠実過ぎる!!』
・土地建物は私
・金融資産は三男
これが全部の資産に適用され、私には1円も現金は入ってこない。
一番酷いと感じたのは、私が相続する建物の保険が積立になっているのだが、それまで三男の相続となっている!!
『建物の保険だよ!?建物を相続する人に振るのが筋じゃん!!』
しかも、私が前回で話した『誰も持出ししない』という条件もクリアできていない。
どうやらこの税理士、相続はど素人で、相続物が何であるか?は全く考慮せず、ベースの条件でそのまま作ったらしい。
「で、どうやって相続税を払うの!?」
分割協議書を見終えて、私が呆れてポロっとこぼした。
「借金してでも払うしか…俺だって60万払わなきゃならんし…」
と三男…。
いや!あんたは金融資産を支払いに回せるだろ!!
「三男が払ってくれればいいのに…」
と、私。
「それは贈与になります!贈与税がかかります!!」
と間髪入れずに税理士。
あんたは黙ってろよ!!そもそもの原因は、あんたの作った分割協議書だよ!!
膠着状態になりつつあったところ、
「じゃ!この分割協議書はご破算にして、三分の一ずつ相続にすりゃいいじゃん!!」
と、三男が分割協議書を放り出し、投げやりな言葉を吐く。
あんたはいつもそうだよ、無茶を言って相手に圧をかけて、自分の思うようにしようとする。
そのへんは父親にそっくりだ!
私の一番嫌いなところだよ!
私は少ない時間から何とか時間を捻出し、交通費もガソリン代も自費で出し、夜中に300km車を走らせてこの会議に来てるんだよ!!
また来いってか!?
「11月から入ってる家賃を使わせてもらう。」
腹は立ちつつも、話が進まないので、私が妥協案として提案。
父の口座が凍結されたので、暫定で私の口座に賃貸物件の家賃が振り込まれており、それを使えば何とか…なるかな!?
次男と三男もその場はそれに同意した。
そのため、分割協議書は修正しないで割り印を押し、分割協議書は完成。
これで、次の土地建物の名義変更(相続登記)ができるようになる。
しかし、これも金がかかるんだよな…。
かくして、踊る相続会議はこれでお開き。
昼も近がったので、私が朝スーパーで買ってきたパック寿司を、弟達の妻や税理士にまで振る舞い、その他色々片づけて帰宅の準備。
次男も税理士も帰り、私は車のエンジンをかけ、ようやく帰れる…と思った矢先、突然次男が車で現れた…。
そこで言い放った言葉は…!?
「な~に~!?」
待て、次号!!
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私が車のエンジンをかけ、帰ろうとしたその瞬間、最近買った中古のメルセデスで実家に現れた三男は、突然こう言い放った…。
「今月までの家賃は(兄弟三人の)共同財産だから!!」
『な~に~!?』
思わず叫びそうになるのをぐっと抑え、三男の話を聞く。
三男の言い分はこうだ…。
「次男が何も引き継がなくて申し訳ないから、共同財産から三分の一渡してやって!!」(意訳:俺も三分の一もらう権利がある!!)
『お前、さっき家賃を相続税に当てて良いって言ったよな!?』
『その舌の根が乾かないうちにこれかよ!?』
そもそも次男には、次男が受取人になっている十分な額の父親の生命保険があり、わざわざ相続財産から回さなくても良いはず…。
『結局自分がその分を欲しいから、次男をダシに使ってるだけだろ!!』
『それにそのメルセデス、親父の会社名義を変更してから買ったよな?』
『完全に自営業の成金趣味やん!!』
と、色々と思いが浮かんでは消える…。
ともかく三男の提案を飲むと、借金しないと相続税が払えなくなる。
シミュレーションし直さないと…。
「考えておくよ…。」
力なく私は答え、その場を後にした…。
元々そんな細かい事を考えられる弟では無い…絶対裏に耳打ちしてるブレインが居るな!?
そういや相続会議の後、会社の事務所であの税理士と話してたな…もしや!?
と色々考えながら、また300kmを走り帰宅。
さて、何から手を付けるか…?
よし、まずは税理士事務所にクレームのメールだな!
ということで、
- 税理士は家として依頼しているのであり、相続者全員に公平であるべきであること
- なのに最終的な遺産分割協議書と財産一覧表が、事前に三男以外に渡されていなかったこと
- 私に対しての債務追加や相続税の支払いの件も、三男以外に伝えていなかったこと
- 相続者間の金のやり取りの話はノータッチだったが、そもそもの原因は相続税支払いの伝達ミスであり、全体を見て公平にアドバイスして欲しい
旨をメールにしたためて、税理士事務所に送付した。
翌日、例の税理士より電話がかかってきた。
私が継ぐ建物の保険の積立が、なぜ三男の相続になっているのか?
相続人間の金のやり取りはノータッチと言いつつ、次男に私の相続税を払わせようとした時に、何で「贈与税がかかります!」と制したのか?「110万を超えると贈与税がかかりますよ」など適切なアドバイスならともかく…とか、気になったところをつらつらと伝えた。
私が指摘した内容は、至極真っ当な話で、税理士が否定できる理由は無かった…と思う。
ついでに共同資産の話も振ってみたが、三男とはその話はしていないとの事だった。(でも以前から共同資産の話はしていて、三男がいきなりそれを思い出して飛んで来たんだろう…。やはりこの税理士、厄介者だ…。)
相手は平謝りで「遺産分割協議書」は何度作り直しても良いというので、三男との交渉に入ってもらう事にした。
後日、また税理士から電話。
遺産分割協議書の作り直しに、
「その場で実印押したのに…。」(意訳:その場で主張しなかった私のミス!!直させねーよ!!)
と、三男が難色を示しているとのこと。
そうか、お前はそういう男だったのか!!(意訳:兄弟の信頼関係より、はした金が惜しい残念な男!!)
分かったよ、それなら俺は今後二度とお前を信用しないよ…。
三男の読み違いは、父の預貯金の大半は、私の使用していない口座にあること。
極端な話私が振り込まなければ、三男は遺産を手にできない。
民事で訴えれば手に入れられるが、そこまでしたら経緯が全部明らかになり、三男の周りの評判はガタ落ち…。
その辺もチラつかせて、税理士に再度交渉をさせた。
結果、
- 贈与税がかからない範囲の110万円は私の口座に残す
- 共同財産の分配は先送り
- 今後の家賃で会社の借金を返済する案は廃止
となった。
これで当面の資金繰りはどうにかなる。
次は相続登記か…
税理士が紹介してくれるって言ってた司法書士、そろそろ連絡あるかな?
続く…
60分でわかる! 相続 超入門
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税理士を介して交渉して、持ち出し無しで贈与税を支払えるようになったものの、後々の契約の問題で、早めに相続登記はやらねばならぬ。
税理士に紹介をお願いしたが、そろそろ連絡があるかな?
と思ってた矢先に、司法書士からメールが…
「ん!?」
司法書士からのメールには「ご依頼ありがとうございました。」
いや、まだ依頼しとらんよ、紹介してもらっただけなのだが…?
続けて読むと「税理士から頂いた資料を以下の住所にお送りください。」
ん?もう依頼受けたつもりやん。
普通は、報酬とか費用の話を先にしないか?
多分電話が後で来ると思い、そのまま放置…。
翌日やはり電話がかかってきた。
司「ご依頼ありがとうございます、メールでお送りしたとおり、税理士からもらった資料一式送って下さい」
私「いや、その前に費用感を聞きたいんですが…?」
司「資料をもらわないと正確な額は判らないんですよ」
私「概算で良いので見積もって下さい」
司「では税理士に相続資産一覧もらって、回答しますね」
私(結局税理士とズフズブなんだな…)
翌日今度は税理士から、司法書士に相続資産の資料を渡して良いか?の問い合わせがあった。
その際に渡してもらった資料に、相続登記するのに必要な資料が全部揃っているのか?を確認。
税「多分揃ってるはずですが、詳しくは司法書士に確認してください。」
結局田舎の相続は、
「知り合いの紹介の税理士を頼む」→「税理士紹介の司法書士を頼む」
がデフォで、その間に報酬の話を挟むのはご法度なんだろうな…。
で、『どこそこの家は誰それの税理士にお願いしてやってもらった』という話が伝わって、言い値の商売ができると…ポロイな…。
ただ私としては、紹介された税理士(というか途中交代した税理士)があんなんで、報酬はかなり高額だったのは頂けないので、司法書士は私が見極める事にした。
と、そうこうしているうちに、司法書士から概算費用のメールが…
報酬金額は、約12万円
相続登記の司法書士の費用をネットで調べると、全部ネットで完結するような安いところで、5万円ぐらい。
登録免許税(登記に必要な税金…なんで放置せずに、個人資産の土地建物の管理を引き継ぐのに、金をとられなきゃならんのだ?)23万円!
結構かかるな!!!
ネットで調べると、最近は登記をネットでできるようだし、この際自分でやってみる事にする。
ようやく本題、続く…。